「美味しい」は、作物が健全に育った証です。大地の職人は、みんなに美味しいものを食べてもらいたくて「作物の健全」を追い求めます。そのために作物を見つめます。まるで作物の求めに耳をそばだてるかのように。
大地の職人は知っています。作物の求めに応じ、最適なとき、最適な量で、温度、水分、養分を与えることができれば、自らの求めたものに手が届くことを。
大地の職人はいろいろな技を持っています。心土破砕、明暗渠、中耕培土など水分や温度を調節する技。土の中で少しずつ分解されて作物の養分になる有機質の技や、素早く吸収される養分を必要量与えるのに適した科学肥料の技。作物の生育を邪魔する雑草や病害虫を抑える農薬の技。
大地の職人は心にとめています。技におぼれてはいけないと。美味しいものを食べてもらいたい。そのために作物の健全を求めるのだ。技はあくまでもその手段であって目的ではないのだと。大切なのはその技を使う心意気だと。有機質の技だけでは、育ち盛かりの作物に不足したり逆に熟年では食べすぎになる。だから科学肥料の技と組み合わせて作物の求めにあわせることだ。農薬の技も国が安全だと登録した範囲内だからよいだけではなく、作物やその周りに気を配れば、もっとその回数と量が少なくても技が生きるのだ。もちろん、一つひとつの技の切れ味も大切だ。小さすぎれば雑草に負け、大きすぎれば病気や虫にやられやすい。温度や水分養分の技の切れ味が、農薬の技の切れ味に影響するのだ。
今金を訪れた際は、田や畑を覗いてみてください。作物は大きくなりすぎず小さすぎず、斎一に育っているはずです。作物だけでなくその周りの手入れもされています。それが美味しいものを食べてもらいたいという大地の職人の技と心意気です。そしてそれを感じていただけたなら、大地の職人に声をかけていただければ幸いです。
2011年 ゆめぴりか物語 "ゆめぴりか"の旅立ち 中野 公郎さん
2011-10-11 17:49:25
「今が刈り取りの時ですよ!」とゆめぴりかが教えてくれました。いよいよその時がきたのです。大雨や台風など、避けることのできない自然と向き合いながら育て、見守ってきたこの1年が終わろうとしています。

JA今金町では、各自で籾すりし玄米にして、調整施設に出荷します。
さあ、出荷の時です。そして健康状態をチエックする検査が待っています。中野さんの緊張がピークに達する一瞬です。今年は、春先の低温で田植えが遅れて心配させられたが、幸い8月からの好天で巻き返し、型も品質もきれいに揃った”お米”に育ってくれました


貯蔵施設です。コンピューター制御され、奥に保管されている米から出荷できます。

2011年 ゆめぴりか物語 "ゆめぴりか"の願い 中野 公郎さん
2011-09-13 19:39:25
9月に入るといよいよ、ゆめぴりかは収穫期を迎えます。
刈取ってもいい時期かどうかを見極めることは、1年の収穫量を決める米職人の大事な決断です。どの米職人も一番神経を使います。

整粒(一人前のお米です) 青米(もう一息で一人前になります)
刈取適期の判定会で刈取る時期に来ている
かどうかを判断し、さらに、天気との兼ね合いで一番のタイミングをさぐります。「刈取りも天気がいいだけでは、だめなんです。
朝露、夜露を避けてモミの状態が最もいいタイミングで刈取ります。」この時期から刈取りが終わるまで米職人中野さんの神経が休まることはありません。最後の踏ん張りどきです。
今年は台風12号の大雨にも稲穂は一生懸命耐えて、刈取られる時を待っています。稲穂も最後の踏ん張りどきです。ちょうどいいタイミングで刈取ってもらって、「今年のお米はおいしいよね!!」と言ってもらいたい。それが今金米“ 刈取り時期の判別ができます
ゆめぴりか”の願いです。
刈取り判定会
1 検査用に刈取って、乾燥させて、検査場にもっていく。
2 脱穀して水分判定器で水分を測って問題なければモミすりする
3 ふるいにかけて一定の大きさ以上のものにわけ、穀類判別器で歩留まりを調べる。


水分判定器 ふるいにかける 穀類判別器
2011年 ゆめぴりか物語 青米への願い 中野 公郎さん
2011-08-26 20:07:19
8月2日に出穂期を迎え、3週間が経ちました。
花が咲いてからは天気も良かったので、どんどん穂に実が入り、9月中旬の刈り取りに向けて、最後のふんばりどころです。田んぼの水の微妙な調整、カメムシの発生防止に米職人の鋭い目が注がれます。カメムシを発見したら素早く拡散をおさえる手をうたなければなりません。また、1枚の田んぼでも肥料の多いところと少ないところがどうしても出てしまいます。肥料が多すぎると稲が病気に罹りやすくなります。人間といっしょで、栄養を取りすぎるとメタボになって成人病の引き金になるのと同じなのです。田んぼの状態の変化にも細心の注意が必要なのです。 (写真をクリックすると拡大できます)
(写真をクリックすると拡大できます)
雨の中の稲穂 太陽の光がぐりそそぐ中の稲穂

米には、白(あかちゃん)、青米(18~19歳の青年期の米)、整粒(1人前の大人に成長した米)の3段階の生育期があります。青年期のいま、「青米をどれだけ立派な大人に育てあげられるか・・」。米職人のウデの見せ所なのです。
9月7日から15日にかけて、刈り取り調査が行われます。さあ、どれだけ大人になっているか楽しみです。今年は、昼と朝夕の温度差が大きいので、間もなく美味しい「ゆめぴりか」に出会えそうです。
(写真をクリックすると拡大できます)
2011年 ゆめぴりか物語 白い花がさきました 中野 公郎さん
2011-08-08 13:59:48
8月2日、米職人中野さんにうれしい贈り物が届きました。
そう、「ゆめぴりか」が出穂期を迎え、白い小さな花を咲かせたのです。この花が受粉して美味しいお米に育ちます。 
(写真をクリックすると拡大できます)
(中野さんの育苗方法はマット苗 3.3㎡ 90株です。)
田んぼの風景というと田植えの時期とか黄金色に色づいた穂がたわわに垂れさがるイメージが強いでしょうが、8月のほんの短い間、白い小さな花を咲かせている田んぼの風情もなかなかいいものです。
さて、この時期、健康で美味しいお米を育てるためには?
「今金の米づくりは、できるだけ農薬を減らしているのが特徴です。その分、稲たちの些細な変化に気をつけなければなりません。田んぼはみんな同じように見えますが、微妙な違いがあるのです。
ですから田んぼの全体を見て違いを探し、稲穂をみては違いに気づいてあげる。早期に変化を発見する目が大事なのです。」違いに気づいたら早急に適切に対処をする。また、「米づくりには水の管理がとても大切なのです。寒くなったら水を入れて暖めてやります。人間でいうなら、寒いときにふとんをかけてやるようなものです。水の量と温度、にごりをこまめに見て、住み良い状態を保ってあげると良いお米に育ってくれるのです。」
順調にいけば、これから45日くらいで収穫のときがきます。「あと少し、気を引き締めてこの子たちを見守っていきます。」米職人の瞳に豊穣の秋が映っているように見えました。
2011年 ゆめぴりか物語 子育て編 中野 公郎さん
2011-07-07 13:27:32
今年から「ゆめぴりか」の栽培に
挑戦している中野公郎さん。現在の状況は「分けつが旺盛で生育は順調だと思います」と、元気に育っていることに一安心。
最近は管理作業が中心で、早朝に田んぼの水を見に行き、少なければその日の夜に水を入れる。子供を育てるのと一緒で毎日毎日真剣に地道に取り組んでいるのです。あとは畦草を刈り、病害虫の予防に心をくだく。「できるだけ低農薬で、安全・安心第一の米をつくりたいと考えています。ですから少しくらい害虫がついても簡単には防除しません」と語る中野さんは、米づくりの基本を忠実に守って栽培を心がけています。
以前はミスト機を背負っての田んぼの中を歩いての害虫や病気の防除作業が当たり前でした。「今は、播種時や育苗中の箱処理で済むので、かなり負担が軽くなりなしたね」と遠くを見る中野さん。「最初の収穫をして収量や歩留まりがわかれば、改善点も見えてくるでしょう」とどんな風に成長してくれるか、収穫の秋に思いをはせます。
米職人中野さんの「お米をよりおいしく」のポイント!!「そりゃ釜で炊くのが一番ですが、普通は炊飯器を使っています。まあ、玄米で保管して少しずつ精米して新鮮な米をいただくようにしています・・」。一度ためしてみてはいかがでしょうか!

